2024/02/10に開催された、YAPC::Hiroshima 2024にて「awkでつくってわかる、Webアプリケーション」というタイトルで発表してきた。
今回が初めてのYAPCだったが、とても楽しく学びのある時間だった。せっかくなので、感想を記しておきたい。書いていたら結構なボリュームになってしまったので、今回はセッションを聴いた感想だけ書いて、発表した感想はまた別に書くことにする。
セッションを聴いた感想はこちら: YAPC::Hiroshima 2024で、awkの話をしてきた
入門EOL対応
同僚の@ryuichi1208さんの、EOL対応についての発表。
EOL対応という少しニッチなトピックについて、体系的に整理して説明していて、ただ単に手を動かすというところだけではなく、なぜやるのか、どのような選択肢があるのかということが丁寧に説明されていたのがよかった。
ところで、ちょうどとあるEOL対応を一緒にやっているので、このセッションを聞いた上で、無事成功させたいという気持ちを新たにした。
Amazon ECSで好きなだけ検証環境を起動できるOSSの設計・実装・運用
ecspressoの作者の@fujiwaraさんの発表。
聞いていて、開発環境に関するツールを、OSSとして作っていることの良さがあるなというふうに思った。SaaSとしてのみ提供されるWebアプリケーションは、デプロイ先が限定されることから、そのような環境に依存するコードが生まれてしまう場合を見かける。The Twelve-Factor Appを守ってくれよ (それはそう) といわれたらその通りだが、既にそうじゃない状況のアプリケーションをそうすることへのモチベーションの一つとして、環境に依存しない開発環境ツールの上でホストするというのが生まれてきそうだなと聞いていて思った。
発表されていたツールの課題とはズレるが、既存の開発環境に対するいくつかの悩みがあったので、それをツールを作って解決するというアプローチとともに、他の会社/環境でどのように問題を解決しているのかというのを知れて、とても勉強になった。
Blogを作り、育み、慈しむ ~ Blog Hacks 2024
@songmuさんの、個人ブログに対する考えを話していた発表。
個人ブログに関するツールを作ることの良さ、個人ブログを書くことの良さ、こだわりが知れて、個人サイトが好きな身として、共感しながら聞いていた。
発表の中に出てきていたindieweb.org/principlesを自分は知らなくて、発表のあとに初めて読んだのだが、とても整理されていて、自分がこだわりたいものがなんであるかを認識するのにとてもよかった。
私の個人ブログmemo.yammer.jpや、個人サイトyammer.jpはもちろんのこと、この記事が投稿されるawkblogも、最初はお遊びで作ったはずだがこうやってコンテンツをホストしているので 、せっかくだからしばらく自分で使いながらメンテして育てていきたい。
非同期開発体制を支えるドキュメント文化 / YAPC::Hiroshima 2024
登壇者の@konboiさんが働かれているLaunchableで、どのようなドキュメント運用がなされているかについての発表。
プロジェクトを始めるときに書かれる「Project Proposal」というドキュメントが、開発する方向性や、その内容、意思決定者が明確になっているのがよかった。
私の会社では、ポストモーテムと呼ばれるドキュメントはわりと形式が定まって運用されているが、それ以外の、例えばプロジェクトの概要などのドキュメントについても、「箱」(どこに書くのか)や「型」(どのような形式で書くのか)が用意されているのがいい。
発表の中で、ミーティングなどで議論が白熱したときに「One Page書いて整理してみましょうか」などと発言されることがよくあり、ドキュメントに一度書き起こすことで情報が整理されるということを話されていて、便利そうなので自分も明日から困ったときに試してみたいと思う。
発表を聞く中で、ドキュメントやドキュメンテーションに関する課題感(詳細は略) を思い出しながら聞いていて、やれることは色々あるぞという気持ちになった。
古い技術について—SMTP現代事情つまみ食い—
バウンスメールに関するOSSであるsisimaiの開発者である@azumakuniyuki さんの発表。
Gmailガイドラインに関する対応のためにちょうど最近メールに関する諸技術をキャッチアップしていたところで、とてもホットな話題だった。すごく簡潔にまとまっていて、自分の知識の再整理に役立った。(数ヶ月前にこの資料を送ってやりたい)
特にSPF,DKIM,SPFアライメント,DKIMアライメントのスライドの図は整理され過ぎていて、何か説明する機会にはこの図を引用するしたい!となった。
質疑応答では、メール運用に関する質問が結構飛び交っていて、発表の質疑というよりは完全にメール運用お悩み相談会になっていたのが面白かった。みんな困っているんだなあ。(自分も一つ聞いてみたいことがあったけれど、懇親会などでお会いできなかったのでまたいつか機会があれば!のきもち)
キーノート
とほほさんのキーノートは、まさにまさに「what you like」の伏線回収で、「好きで続けている」を本当に体現しているものだった。「辞めたくてもやめられないようなもの」「飽きたらやめる」といった表現が印象的で、28年の歳月がそれを示しているだろう。自分が目指したい個人サイトのあり方、ひいては生き方のロールモデルだと思った
とほほさんの個人サイトを続けるという話以外に、さらっと出てくる様々なエピソードが、凄腕プログラマすぎるし、それを誇示しないところも含めてかっこいいと思った。
このあと
アーカイブを見たい発表がいくつもある。
新任エンジニアリングマネージャーのための「ぼうけんのしょ」
そのうちの一つは、あらたまさんの発表
プロポーザルを見て、自分の環境と照らし合わせてこれは聞かねばならないと思っていた。発表資料の中に自分の機嫌は自分でとると書いていて、マネージャとしてそういう当たり前のことを常にやっていかねばならないと改めて認識した。
cpanmの依存関係解決の仕組み ~若者のPerlへの挑戦記~
懇親会のn次会で、登壇されていたよつさんのお話したのだが、今は学生で、 今回の発表にあたってPerlやCPANモジュールについて学んだりキャッチアップしたとお聞きした。そういった馬力が凄すぎるし、自分も負けていられないなあ、頑張っていこうという気持ちになった。
内容はみれていないので気になっていて、依存関係解決は結構面倒なトピックであるし、そのあたりをどうやってキャッチアップしたのかが気になっている
セッションの感想はこのくらいにして、次回は自分が登壇した感想を書くことにする